意味と記号

概要

本論では、言語は記号ではない、という主張を行う。そのため、ウィトゲンシュタインの哲学探究の冒頭部分の「考察」を再構成したアーギュメントを提示する。アーギュメントは次の4つの部分からなる。

  1. 直感的な議論:常識的な直感に訴え、言語の働きが単なる記号作用ではないことを主張する。
  2. 系譜学的な議論:言語が記号である、という考えの起源にさかのぼり、それが根拠が無いことを示す。
  3. 直示的定義の議論:直示定義が意味を定められない、というウィトゲンシュタインの議論を記号作用に応用し、記号作用は言語全体の理解が既に与えられない限り、意味を決定できないことを主張する。
  4. 規則のパラドックスによる議論:規則のパラドックスを応用し、記号作用が、記号作用に基づかない言語把握がない限り、言語使用をまったく決定できないことを主張する。

さらに、ウィトゲンシュタインが意味理論の不可能性を主張したのか、という問題について簡単に検討する。

本文

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