オントロジー構築入門

「オントロジー構築入門」を読んだ。

オントロジー(存在論)とは、アリストテレスの定義によれば、存在しているもの(オン)すべてを、存在している、という性質によって導き出されることのみから、探求する研究分野ということになる。アリストテレスの著作集で、自然学(フィジックス)の次の巻にくることからメタ(次の)フィジックスとも呼ばれ、日本語に訳するときには、形あるものを超えた対象を扱うということで、形而上学と呼ばれた。

存在論についても、上のような存在論の規定についても、いろいろなことが言われてきたが、ソフトウェア(例えば業務処理システム)を開発する際に、それが扱ういろいろな存在者(例えば、社員とかいろいろな書類とか、決裁権限とか)を体系だてる必要が出てきて、情報工学の一分野としてもオントロジーが研究されている。

ま、情報工学のオントロジーと哲学のオントロジーは直接つながらずに発展してきているような気もするけど、まあいい。

というわけで、工学の方の議論を知ろうとして読んでみたけど、あんまり。確かに具体例に即してオントロジーの構築法を書いてあるのだけど、なぜそうするか、があまり書いてなくて、ただそうすべき、ていう著者の主張だけが書いてあるところが多い気がする。具体例もかなり複雑で(オントロジーとしては複雑な方ではないそうだが)なかなか解読しづらい。もう一つの問題として、「法造」という著者らが開発しているソフトウェアに特化した記述が多く、一般論を知りたい者としてはちょっと、という感じだった。「知の科学-オントロジー工学」という本と合わせて読むべきなのだろうか。

内容面だけでなく、形式面で言うと、図がモノクロームなのに、本文ではその色が言及されていたり(法造を動かすと色がつくのだろうか)、全体として練れていない感じがした。

個人的好みとしては、哲学の方の、特に形式存在論の方が好みかな。専門家ではないので、誤解しているかもしれないけど。