現代形而上学

明快で、分かりやすく、そして(私は専門家ではないから、本当はわからないけれど)最新の内容を盛り込んでいる形而上学の入門書。どこも面白いのだが、存在依存の議論ははじめて知ったので興味深かった。

そもそも哲学にどのような根拠があるのか、なぜある哲学的見解が正しくあるものはそうでない(と主張される)のか、ということにきちんと見解を出している(反照的均衡)のも好感が持てる。反照的均衡とは、まず常識や既存の科学から出発し、それとできるだけ整合的になるようにしながら、なおかつ矛盾を持たない包括的な体系を作っていくこと、だと理解した。これも最近の哲学方法論の議論の成果なのだろうか。

1つだけ気になった点。反照的均衡ではまず我々の直観から出発するとされる。しかし、本当に直観から出発するべきなのだろうか。個物、という直観は強力な直観だけれども、量子力学に現れる対象はかなりこの個物という直観とはかけ離れている。むしろ、直観ではなく最新の個別科学(量子力学とか宇宙論とか法学とか)を出発点にするべきなのではないか。まあ既に議論されていることだとは思うけど。

本当にスタート形而上学、スタート・メレオロジーをしたくなる本。読んでいて楽しかった。